グループハラスメントとは
2009-12-25


グループハラスメント(ぐるーぷはらすめんと)は、職場に限らず地域社会などにおける組織的な集団による複数のいじめのこと。日本語では「組織的ハラスメント」ともいう。
  

概念の起源と普及

ドイツでは、1993年に、心理学者でスウェーデンで産業医を努めたハインツ・レイマン氏(Heinz Leymann)が「モビング」という言葉を広め、イギリスでは1988年にBBCの女性記者アンドレア・アダムス氏(Andrea Adams)が「ブリング」という言葉を使い1992年に‘Bullying at Work’を著し、アメリカでは1976年にキャロル・ブロドスキー氏(Carol Brodsky)が‘The Harassed Worker’を著作し「ハラスメント」という言葉で職場の嫌がらせを研究した。 日本では2002年秋頃に岡田康子氏が和製英語「パワーハラスメント」を造語した。モビング、「ブリング」、「ハラスメント」、「パワーハラスメント」は同義語である。「グルハラ」は、「宗教団体オウム真理教の信者から麻原彰晃が尊師として本来ヒンドゥー教の導師を指す『グル』と呼ばれていた」ことから、宗教がらみのハラスメントでもあることを暗に示唆するとともに「『グル』になっている」との「(悪い事をする)仲間」、「良くない事を企てる仲間」である「一身」という意味と地域ぐるみ・町ぐるみの「ぐる」をも込めて、グループハラスメントを略して「グルハラ」と、2009年4月16日天野コグ氏および天野ベラ氏が提唱した。
  

職場から地域へのハラスメントの継続

モビングは、職場ぐるみで細かいながらも執拗なグループハラスメントを続け、標的である被害者(ターゲット)となった人物が辞職せざるを得ない状態を作り上げる集団犯罪行為である。モビングの結果、通常、自己都合退職にさせられる。会社側がターゲットを解雇する形式をとらないのは、「何も起こっていない。この人が勝手に辞めたのだ」という表面上の体裁を取り繕う意図があるためである。加担する人々は、強引にでもそのストーリーに沿って物事を進行させる。モビングの加担者は、明らかに嫌がらせであると証明できる行為や、犯罪と証明できる行為を注意深く避けて全ての嫌がらせに偶然を装う。ターゲットとなった人物の悪評を広めたり、罪をなすり付けたりといった行為も行われる。 レイマン氏は、職場におけるモビングの段階のひとつとして、さまざまな加害行為の後に、精神鑑定診断を強制的に受けさせるなどして精神疾患との烙印を押し、ターゲットを解雇へと追い込むという手口をも挙げている。ターゲットとなった人物からすれば、会社側が組織的に行っているという証明がほぼ不可能であるため、一方的な不利益を被ることとなる。 職場でのハラスメントがパワハラやモビングであるなら、グルハラ


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[組織的ハラスメント]

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